読書記録

順番はでたらめなりよ。

時雨沢恵一

キノの旅     [電撃文庫/メディアワークス]

一発目がこれって…駄目ですか?しょうがないじゃん、11月に入って全巻揃ったんで嬉しいんだよ。ファンタジーライトノベルを馬鹿にすんな。
これはですねーアニメとかゲームになったりしてとても有名なので、知っている人はたくさんいると思う。
この作者の時雨沢恵一氏は、とても頭がいい人だと推測します。同時に少し頭のネジが飛んでる人でもあるかも。でもそれぐらいじゃないと、こんなにドラッグみたいな話は作れないだろうな〜。難しい文体で特徴付けようとしていたり、なんていういんちきは全くなく、話の展開と世界観だけで読者を捉えて放しません。
私がモロに影響を受けた小説のひとつ。面白いです。


 
藤山直樹

精神分析という営み〜生きた空間をもとめて    [岩崎学術出版社]

心理学の授業で私がのめりこんでしまった先生が書いた専門書です。
自己におとずれる危機、治療の空間など、セラピストが本当のセラピストになるために経験しなければならないことを示してます。
私がハマったのは先生の症例の書き方。非常に文学的で、治療中の劇的なシーンが、生々しいイメージとして伝わってくるのだ。シーンそのものも、先生がそのとき感じていた心理的な状態も、そしてその象徴も。
「なんか時間を忘れて読んでしまう」本のひとつでした。専門書なのにねぇ…ある意味村上春樹より面白かったよ。 村上春樹はムツカシイからね。


 
村上龍

五分後の世界    [幻冬舎文庫/幻冬舎]

最高!!村上龍世界にハマるきっかけとなった作品。
ピンク方面の生業を持つ主人公が突然異世界に…そこは五分のずれで出現したもうひとつの日本。その日本は第二次世界大戦における連合軍相手にゲリラ活動を展開していました…そんな話です。こう書くとなんだそりゃ物騒な話だなと思われるかもしれませんが、そうです、物騒です。血肉飛び散る凄惨でリアルな戦闘描写がなんと50ページ分も…。すごいぞ村上龍。
そんなことを言いたいんではなくて、この主人公はかなりはすに構えたひねくれ者でありながら(たぶんオッサン)、ふとした瞬間に感動して思わず涙ぐんでしまうような心の持ち主なのがイイ。そして主人公を感動させる要素が単純なものじゃないところもまたイイ。んでもってドビュッシーが出てくるあたりがイイ。
読んでみてください。そして、何が変わらなければならないのか、考えてみてください。
 

誰にでもできる恋愛     [幻冬舎文庫/幻冬舎]

村上龍恋愛論は、とても逆説的でひねくれています。だって、恋愛を必要としなくても生きていける人がする恋愛こそが上手くいくんだなんて言ってるんですよ。そのひねくれ具合がたまりません。これを読むと恋愛を考えるにあたっていかにいろいろなことを考えるべき(あるいは考えたほうがうまくいく)か、思い知らされます。なぜなら村上龍がめちゃくちゃ物知りだから。
いやー恋愛を頭でやるようになったらおしめえよぅ、という人、それはそれでいいでしょう。わたしがこの書を読んで何かを得た感を抱いたのは、「そういう恋愛」しかできなくなっているからです。そして「そういう恋愛」になかなかの魅力を感じているからです。私は自立したい、と思っているからです。自立した恋愛をしたい人はどうぞご一読あれ。


 
池田晶子

14才からの哲学     [トランスビュー]

現在ベストオブマイライフ。
良本とは、自分を変える力を持っています。私はこの本を読んで、「バカの壁」を少し面白いと感じるようになりました。
一番最初の言葉が、「君は今、中学生だ」。「あ、違う…」そう思ったあなた、私もそう思いましたさ。でもこれは哲学書です。言葉は少年少女向けですが、中で語られていることは人生の意味と本質的な問いについて。そもそも自分て何なのか、どこにいるのか、「意味」って何で、どこにあるのか、他人って、社会って、宇宙って、死って、存在って…。それらの問いにすべて答えられる人はいいです。ちょっとでも?が浮かび、それがいつまでも心の中にネチネチ残っているような人には哲学のまねっこをする資格があります。
この本に答えは書いてませんが、そりゃー当たり前です。自分で考えて考えて疑いまくって、見つけなければいけないのです。そんな生活もいいですよ。多分。


 
中島義道

ぐれる!    [新潮新書/新潮社]

現在ベストオブなんだこりゃ。
これは私にとっては良本ではありません。私はこの本を読んでもぜんぜん変わらないからです。
この本には、生まれつき死ぬことが決まっていて、不平等で、不公平で、虚偽と欺瞞に満ちている社会を生きるためには真剣に「ぐれる」ことしかないと書いてあります。ね、なんだこりゃでしょう。んで、年代ごとに分けてそれぞれのぐれ方についてこと細かに記しているのです。でもやはし哲学博士だけあって、けっこう言ってること面白いんですよ。はたしてぐれるのが一番いい生き方なのかどうかは別として、たとえばブスは一生ブスのままで、それを受け入れて生きていかなきゃならないのに、周りは「君にもいいところがたくさんあるではないか」と嘘を言う、というか真実をオブラートに包んだ物言いをする。そのことを批判してるわけです。
まぁ、この本嫌いな人多いでしょうな。もし本当に世の中ぐれた人ばっかになったら。それがいいことだとは、私もあんまり思いません。
 

哲学の教科書     [講談社学術文庫/講談社]

14才からの哲学にやられて買ってしまった。何だかんだいって私、中島義道好きみたいです。
この人は、「死」こそが人生において最も重要で難解な問題だと考えてるようです。私も最近そう思うようになったのです。
この本の魅力は、いろんな哲学者や哲学的詩人の文献が拾い読みできることでしょうか。まぁ「ぐれる!」もそうだったんですが。この本に触発されて、私は図書館でカントを借りてしまいました。恐るべし文献ネットワーク。


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